地方の公共交通機関と物流をともに維持しようと、タクシーが乗客だけでなく荷物も運べるようにする規制緩和に伴って、岡山県矢掛町のタクシー会社が荷物を輸送するための国の認可を受けました。タクシー会社がこうした認可を受けるのは全国で初めてだということで、会社は農産物を直売所に運ぶなどの事業を始めたいとしています。
認可を受けたのは、岡山県矢掛町でタクシー事業などを行う「二葉観光運輸」で、18日、頼正宏志社長が中国運輸局岡山運輸支局で認可書を受け取りました。
国土交通省はこれまで、タクシーが宅配などの荷物を運ぶことを原則、認めていませんでしたが、地方の公共交通機関と物流をともに維持しようと、去年9月、人口3万人未満の市町村を対象に、国の許可を受ければ荷物も運べるよう規制を緩和しました。
乗客と荷物を運ぶのは、乗り合いタクシーなどではこれまでも一定の条件で認められていましたが、中国運輸局によりますと、規制緩和に伴ってタクシー会社が認可を受けたのは全国で初めてだということです。
認可を受けた会社では、ことしの春から、地元の農家が収穫した農産物を直売所に運ぶなどの事業を始めたいとしています。
頼正健志専務は「農家の人たちが高齢化し、車の運転が難しく出荷できない状況があるので、こうした面の支援も行っていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB