リニア中央新幹線の建設工事をめぐる談合事件で、JR東海側が駅の新設工事などの入札の前に特定の大手ゼネコンを工事ごとに選び、適切な施工方法を検討するよう非公式な形で調査を委託していたことが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は、JR側に技術協力した工事を確実に受注するため、ゼネコン各社が談合していた疑いがあると見て捜査を進めているものと見られます。
JR東海などが発注したリニア中央新幹線の建設工事をめぐっては、「大林組」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」の大手ゼネコン4社が事前に落札業者を決めるなどの談合をしていた疑いがあるとして東京地検特捜部などが独占禁止法違反の疑いで捜査を進めています。
リニア関連の工事の入札は、業者が提案した施工方法や見積価格などを総合的に評価する方式などで行われ、JR東海側は提案される施工方法が適切かどうか判断できるようにするため、駅の新設工事などの入札の前に子会社のコンサルタント会社に調査を委託していました。
しかし関係者によりますと、JR側はこの子会社を通じて特定の大手ゼネコンを工事ごとに選び、適切な施工方法を検討するよう非公式な形で調査を委託していたことが関係者への取材でわかりました。
ゼネコンの中にはこうした調査に数億円の費用をかけているところもあるということですが、NHKの取材に対し大手ゼネコンの関係者は「技術協力をしても最終的には入札で他社との競争になるため、工事を受注できなければ赤字になってしまう」と話しています。
特捜部は、JR側に技術協力した工事を確実に受注するため、ゼネコン各社が談合していた疑いがあると見て捜査を進めているものと見られます。
これについてJR東海は「捜査に関わる可能性があるので回答を控える」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB