中国沖合の東シナ海で衝突事故を起こしたあと炎上しながら漂流し、日本の排他的経済水域で沈没したタンカーの事故をめぐり、中国の農業省は、船から流出した油が環境に与える影響を調べるとして調査船を派遣しました。
今月6日の夜、中国・上海の沖合の東シナ海で、原油およそ14万トンを載せたイランの海運会社のタンカーが中国の貨物船と衝突して炎上し、その後、タンカーは漂流して鹿児島県奄美大島の西およそ315キロ付近の海上で沈没しました。
このタンカーをめぐって上海のテレビ、東方衛視は18日夜、中国農業省が、船から流出した油の影響を調べるため調査船2隻を派遣したと伝えました。
流出した油はタンカーが沈没した付近の4か所で合わせて100平方キロメートル以上の範囲に広がり、長さ48キロに及ぶ油の帯も観測されたということです。
中国の調査船はすでに中国東部の浙江省の港を出たということで、およそ1週間かけてタンカーと貨物船が衝突した海域から船が沈没した地点に移動しながら、海洋生物や海底の泥を採取するなどして環境への影響を調べるとしています。
この事故ではタンカーの乗組員29人と依然連絡が取れておらず、日本の第10管区海上保安本部は、巡視船や航空機から行方がわかっていない乗組員の捜索を続けているほか、汚染が広がらないよう油の処理などを進めています。
-- NHK NEWS WEB