IMF=国際通貨基金のラガルド専務理事が、8年前にフランスの財務相を務めた際に国に損害を与えたとして、職務怠慢の罪に問われた裁判で、フランスの裁判所はラガルド氏を有罪とする一方、刑を科さない異例の判決を言い渡し、フランス内外の反応が注目されます。
IMFのラガルド専務理事は、サルコジ前政権の財務相を務めていた2008年、実業家の男性と旧国営銀行との間で起きた株式の売買をめぐる訴訟で、国が4億ユーロ(およそ500億円)を支払う調停が成立するよう便宜を図り、国に損害を与えたとして、職務怠慢の罪に問われました。
閣僚の犯罪を専門に扱うフランスの裁判所は19日、ラガルド氏が調停の成立を阻止しなかったのは職務怠慢の罪にあたるとして、ラガルド氏を有罪とする一方、便宜を図った事実は認められなかったとして刑を科さない、異例の判決を言い渡しました。
現地のメディアは、判決文のなかで「当時は世界的に債務危機が広がっていて、ラガルド氏が対応に忙殺されていたことを考慮すべきだ」と、理由が説明されていると伝えています。
ラガルド専務理事は、2011年に女性としては初めてIMFのトップに就任し、現在2期目で、IMFは臨時の理事会を開いて対応を協議する方針です。
ラガルド氏の弁護士は上訴することも検討しているとしていますが、ラガルド氏自身の対応も含め、フランス内外の今後の反応が注目されます。
-- NHK NEWS WEB