引っ越し大手のアートコーポレーションが、3年前、東京の支店で働く5人の従業員に対し、違法な残業をさせていたとして、労働基準監督署は法人と元支店長を労働基準法違反の疑いで書類送検しました。ひと月の残業時間は最も長い人で225時間に上っていたということです。
書類送検されたのは、大阪に本社がある引っ越し大手、アートコーポレーションと、東京・北区にある京北支店の40代の元支店長です。
王子労働基準監督署の調べによりますと、3年前の3月、トラックの運転や家具の運搬などを手がける京北支店の5人の従業員に対し、労使協定で定められた時間外労働の上限時間を超える違法な残業をさせたとして、労働基準法違反の疑いが持たれています。
京北支店では、当時、時間外労働の上限が繁忙期などの特別な事情がある場合、ひと月195時間と定められていましたが、最も長い従業員は月225時間の残業を行っていたということです。
労働基準監督署は京北支店に対し繰り返し是正勧告を行ってきましたが、改善が見られなかったため書類送検したということです。
調べに対して元支店長は容疑を認め、「3月は引っ越しの受注が集中し、忙しかったため働かせてしまった」などと話しているということです。
アートコーポレーションは「大変申し訳なく、厳粛に受け止めている。定休日を導入するなど働き方改革に取り組んでいて、現在、労働環境は改善している」としています。
-- NHK NEWS WEB