中国沖合の東シナ海で、衝突事故を起こしたあと漂流し、日本の排他的経済水域で沈没したタンカーの事故をめぐり、中国の交通運輸省は、流出している油がおよそ200平方キロメートル以上の範囲に広がり、環境への汚染も懸念されるとして引き続き、調査や油の処理に当たる考えを示しました。
今月6日の夜、中国・上海の沖合の東シナ海で、原油およそ11万トンを載せたイランの海運会社のタンカーが中国の貨物船と衝突して炎上し、その後、タンカーは漂流して鹿児島県奄美大島の西およそ315キロ付近の日本の排他的経済水域で沈没しました。
この事故について、中国の交通運輸省が19日、北京で会見し、タンカーから流出している油がおよそ200平方キロメートル以上の範囲に拡大していて、環境への影響が懸念されることを明らかにしました。
このため、引き続き航空機を使って上空から油の流出状況を調査していくほか、海への汚染を最小限に防ぐため、油の処理に当たる船舶を派遣するということです。
事故をめぐっては、すでに農業省の調査船が派遣され、海洋生物や海底の泥を採取するなどして、環境への影響を調べる調査を始めていて、交通運輸省は、各部門とも連携しながら対策に当たる考えを強調しています。
一方、この事故では、タンカーの乗組員29人と依然連絡が取れておらず、日本の第10管区海上保安本部は、巡視船や航空機から乗組員の捜索を続けているほか、油の処理などを進めています。
-- NHK NEWS WEB