経営再建中の液晶メーカー「ジャパンディスプレイ」は、業績不振が続くスマートフォン向けに頼った事業構造の見直しを進めるため、指紋認証のセンサーなど新たな収益の柱となる技術の開発を進めています。
ジャパンディスプレイは、日立製作所と東芝、それにソニーの液晶パネル事業を統合した「日の丸液晶メーカー」ですが、売り上げの8割を占めるスマートフォン向けの事業の不振が続いています。
このため、スマートフォン向けに偏った事業構造の見直しを進めていて、23日、新たな収益の柱として開発を進める製品を発表しました。
このうち、指紋認証のセンサーは、厚さが1ミリのガラス製で、透明で曲げる加工ができるのが特徴です。ドアの鍵の開け閉めやクレジットカードの個人認証など、さまざまな用途に活用できるとして、平成30年度中の量産開始を目指しています。
このほか、「VR」=仮想現実のゴーグル型の端末向けに、従来よりも酔いが抑えられるという高精細の液晶パネルや、動画のように画面を切り替えられる店の価格表示用の液晶パネルなども発表しました。会社はこうした新しい技術によって業績の回復を目指すとしています。
-- NHK NEWS WEB