スーパーコンピューターの開発をめぐる国の助成金詐欺事件で逮捕された会社社長が、架空の外注費を計上するなどして、およそ8億5000万円の所得を隠していたとして、法人税法違反の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。関係者によりますと、隠した所得は、社長が以前手がけていた自動車レースの事業の損失の穴埋めに充てていた疑いがあるということで、特捜部が詳しい経緯を調べています。
再逮捕されたのは東京のベンチャー企業「PEZYComputing」の社長齊藤元章容疑者(50)です。
東京地検特捜部の調べによりますと、齊藤社長は、平成26年までの5年間に架空の外注費を計上するなどして、国から受け取った助成金などおよそ8億円5000万円の所得を隠し、2億3000万円余りを脱税したとして、法人税法違反の疑いが持たれています。
関係者によりますと、齊藤社長は、以前手がけていた自動車レースの事業で、多額の損失を出し関連会社が負債を引き継いでいたということで、この関連会社に業務を発注したように装って、多額の資金を支払い損失の穴埋めに充てていた疑いがあるということです。
また特捜部は、24日齊藤社長ら2人を、国の助成金2億2000万円余りをだまし取った罪で追起訴しました。
齊藤社長が、経営に関わった複数の会社に国から認められた助成金や融資は総額100億円近くに上っていて、特捜部は、引き続き資金の流れの解明を進めるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB