今月、健康上の理由で退官した最高裁判所の小貫芳信元判事ががんのため亡くなりました。69歳でした。
小貫芳信元判事は福島県出身で、法務省の矯正局長や最高検察庁の公安部長、それに東京高等検察庁の検事長などを歴任し、6年前、最高裁判所の判事に就任しました。
最高裁では、裁判長として、東京・千葉・埼玉で男性3人が練炭自殺に見せかけて殺害された事件で被告側の上告を退ける判決を言い渡したほか、私立病院で勤務していた医師が、年俸に残業代が含まれるという契約上の合意は無効だとして残業代の支払いを求めた裁判で訴えを認める判決を言い渡しました。
また、警察が裁判所の令状を取らずに容疑者の車などにGPS端末を取り付けて居場所を把握する捜査について、令状がなければ違法だという初めての判断を示した最高裁大法廷の判決などに加わりました。
最高裁によりますと小貫元判事は、健康上の理由で任期を7か月余り残して今月16日付けで依願退官し、今月21日、がんのため亡くなりました。
-- NHK NEWS WEB