国会では、参議院本会議でも代表質問が始まり、安倍総理大臣は、政府が進める防衛力の強化は、国民の生命や財産などを守るためのものだと強調したうえで、新たな装備の導入にあたっては、周辺国に懸念を生じさせることがないよう、透明性の確保に努める考えを示しました。
この中で、民進党の大塚代表は、防衛力の強化に関連し「長距離巡航ミサイルは一般的には攻撃的兵器であり、安全保障環境に緊張をもたらすことも懸念される。地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の導入にも近隣国が懸念を表明している。このような兵器が専守防衛の範囲内なのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「脅威をつくり出しているのは北朝鮮の側であり、日本ではない。いずれの装備も、専守防衛のもと国民の生命や財産、わが国の領土・領海・領空を守り抜くため、自衛隊の装備の質的向上を図るものだ」と述べました。
そのうえで、「長距離巡航ミサイルの導入が安全保障環境に緊張をもたらすとは考えていない。また、『イージス・アショア』の導入についても、周辺国に懸念を生じさせないよう、さまざまな機会を捉え透明性の確保に努めていく」と述べました。
自民党の吉田参議院幹事長は、働き方改革について「雇用情勢が好調な今こそ、働き方改革を一気に進める大きなチャンスだ。そのうえで、懸命に納期を守り、日本のものづくりや国際競争力を支え、商店街など地域経済を守っている中小企業・小規模事業者への配慮も欠かせない」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「取引関係の弱い中小企業・小規模事業者は、顧客からの要求に応えようとして長時間労働になりがちだ。全国47都道府県に『働き方改革推進支援センター』を設置して個別相談に当たり、労働基準監督署にも相談に対応する特別チームを編成するなど、十分配慮していく」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、憲法改正をめぐり「ことし中に改正の発議を行うことを目標にしているのか」と質問されたのに対し、「憲法改正は国会が発議し、最終的には国民投票で国民が決めるものだ。改正の必要性やその内容、発議の時期などのスケジュールも、国会での議論や国民的な議論の深まりの中で決まっていく」と述べるにとどめました。
-- NHK NEWS WEB