三菱航空機は開発を進めている国産初のジェット旅客機、MRJについて、これまでに受注があった447機のうち、アメリカの航空会社から受注していた40機の契約がキャンセルになったことを明らかにしました。
MRJは2020年半ば以降に納入する予定で、これまでアメリカやミャンマーの航空会社などから合わせて447機を受注しています。
このうち、40機を発注していたアメリカの航空会社「イースタン」が経営危機に陥り、去年、別の航空会社「スウィフト」に事業譲渡されたことから、契約の継続をめぐって三菱航空機は慎重に協議を進めてきました。
その結果、契約の継続は難しくなったと判断し、このほど契約はキャンセルされることになりました。MRJの受注のキャンセルは初めてです。
これについて、三菱航空機は「相互協議の結果、解約が最善の選択肢との判断に至った。解約は相手の事業の変更によるものであり、MRJが納期を延期したこととは関係はない」とコメントしています。
MRJは納入が大幅に遅れ、去年4月には三菱航空機の社長が交代したうえで、多くの外国人技術者を採用するなどして開発体制を見直してきました。
しかし、今回、初めて受注がキャンセルになり、三菱航空機の業績に影響するうえ顧客からの信頼が揺らぐことも心配されるだけに、納入がさらに遅れることがないよう、確実に開発を進めていくことが求められています。
-- NHK NEWS WEB