ネット通販大手の「楽天」は、アメリカの小売り最大手の「ウォルマート・ストアーズ」と提携し、生鮮食品などを扱うネットスーパーを共同で始めることになりました。ネット通販の企業と実際の店を持つ小売り企業が連携して、食品のネット販売でも勢力を拡大するライバルの「アマゾン」に対抗する動きが広がっています。
「楽天」の三木谷浩史社長とアメリカの小売り最大手「ウォルマート」のダグ・マクミロンCEOは26日、東京都内で会見し、提携を発表しました。
それによりますと、楽天とウォルマートの傘下のスーパー「西友」が共同で新会社を設立し、生鮮食品や日用品を扱うネットスーパーをことし7月にも始めます。
楽天が持つネット通販のノウハウや顧客基盤と、西友の豊富な生鮮食品の品ぞろえや配送網を組み合わせて、ネット通販を強化します。
また、両社はアメリカの事業でも提携し、楽天の電子書籍事業「楽天Kobo」で扱っている電子書籍をウォルマートの店舗やネット通販で販売します。
両社の最大のライバルである「アマゾン」は、食品の即日配送に力を入れたり、アメリカで高級スーパーを買収するなど、ネット通販と実際の店舗での販売の双方で勢力を拡大しています。
このため、日本を代表するネット通販企業の楽天と、日米で大手のスーパーを展開するウォルマートが連携し、アマゾンに対抗する狙いがあります。
ネット通販企業と小売り企業の連携では、ほかにもコンビニ最大手の「セブン&アイ・ホールディングス」と通販大手の「アスクル」が生鮮食品のネット通販事業を始めています。
また「楽天」と「ビックカメラ」も通販事業で提携していて、圧倒的な存在感を示すアマゾンを意識した連携の動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB