成人の日に横浜市にある晴れ着の販売などを行う会社「はれのひ」と契約した振り袖が届かなかった問題で、この会社の破産手続きの開始が決定し、連絡が取れなくなっていた社長は26日夜の会見で、「成人式を台なしにしてしまい、深くおわび申し上げます」と述べ、陳謝しました。
横浜市中区に本社がある晴れ着の販売などを行う会社「はれのひ」が突如、休業し、成人の日の今月8日、新成人が事前に購入したり、レンタルしたりした振り袖が着付け会場に届かず、晴れ着を着られない新成人が相次ぎました。
この問題で、横浜地方裁判所から破産手続きの開始が決定したことから、「はれのひ」の篠崎洋一郎社長が26日夜、横浜市内で会見しました。
篠崎社長は冒頭、「お客様や取引先に多大なご迷惑ご心配かけて、おわび申し上げます」と陳謝し、頭を下げました。そのうえで、「説明が遅れたことをおわびします。平成29年9月に大幅に赤字になり、売り上げの減少に歯止めがかからず、支払いのめどがたたなくなり、このような事態になりました。成人式を台なしにしてしまい、すべて私に責任があります。皆様にご迷惑をかけしたことを深くおわび申し上げます」と述べました。
さらに、篠崎社長は成人式の前日には開催できないと認識していたことを明らかにしました。また、問題が発覚してからどこにいたのか問われると、「知人のところにいました。隠れるつもりはなかったが、そのように見えたことで世間をお騒がせしたことは申し訳ありません」と弁解しました。
弁護士の説明では、これまでの調査で負債総額はおよそ6億3500万円で、債権者の数は1600人に上るとしていますが、今回の問題を含むと最終的な負債額はさらに増え、10億円を超える可能性があるとしてしています。
また、振り袖については、26日の時点で仮縫いしているものを含めて1200着が保管されているということです。
被害を訴える新成人や保護者などからは店舗が休業したため、社長や店舗の担当者と連絡が取れなくなり、支払った代金や預けていた晴れ着が返却されるのかなど、不安の声が上がっていたほか、取引先の一部では「はれのひ」からの支払いが滞る状況になっています。
-- NHK NEWS WEB