東海地方を代表する調味料で愛知県特産の豆みそ「八丁味噌(みそ)」が国の地域ブランドとして登録されたことをめぐり、発祥の地とされる愛知県岡崎市にある老舗の2社が、国に対して不服を申し立てる意向を固めたことがわかりました。
不服を申し立てる意向を固めたのは、岡崎市で江戸時代から続く「まるや八丁味噌」と「合資会社八丁味噌」の2社です。
「八丁味噌」は、東海地方で広く食べられている赤黒い色みと濃厚な味わいが特徴の豆みそで、みそカツやみそおでんなど「名古屋めし」にも使われています。
これについて農林水産省が地域ブランドとして登録し、品質を含めて保護する「地理的表示保護制度」に岡崎市の2社と愛知県内の醸造業者40社余りが加入する「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」の双方が申請しました。
しかし、岡崎市の2社は生産地を岡崎市とするとしたのに対し、農林水産省はあくまで生産地は愛知県にするよう求めたことから、申請を取り下げ、組合側の申請が認められました。これによって2社は、輸出していたヨーロッパで、八丁味噌のブランドが使えなくなるとして、不服を申し立てる意向を固めたということです。
まるや八丁味噌の浅井信太郎社長は「八丁味噌は岡崎特産のみそだと思う人も多いので、国には判断のいきさつを問いたい」と話しています。
合資会社八丁味噌の広報担当者は「国には、相手の組合と調整をしてもらえると思っていただけに今回の決定は驚きだった。詳しい説明を求めたい」とコメントしています。
一方、愛知県味噌溜醤油工業協同組合は「県内には同じ風味のみそを作るメーカーがほかにもあるので、八丁味噌を『愛知のみそ』として国内外に広く発信していくことが重要ではないか」と話しています。
農林水産省は「八丁味噌は、岡崎市の一部の地域で生産されたものに限るという根拠がないので、組合側の申請を登録した」としています。
-- NHK NEWS WEB