12年前、東京・港区で、高校生がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、メーカーの「シンドラーエレベータ」の元点検責任者が業務上過失致死の罪に問われた裁判で、2審の東京高等裁判所は「メーカーによる点検の時は異常は発生していなかった」として、1審に続いて無罪を言い渡しました。
平成18年6月、東京・港区のマンションで、高校2年生だった市川大輔さん(当時16)が、扉が開いたまま動き出したエレベーターに挟まれて死亡しました。
メーカーの「シンドラーエレベータ」の元社員で、点検責任者だった原田隆一元専任課長(49)は業務上過失致死の罪に問われましたが、1審の東京地方裁判所は無罪を言い渡し、検察が控訴していました。
26日の2審の判決で、東京高等裁判所の秋葉康弘裁判長は「メーカーの点検から1年半以上もの期間、ブレーキの不具合が生じていないことや、点検の際に異常を示す音や臭いなどがなかったことなどからすると、それより前にエレベーターに異常が発生していたとは認められない」と指摘し、1審に続いて無罪を言い渡しました。
事故をめぐっては、メーカーとは別の時期に点検を行っていた保守会社の会長ら3人も業務上過失致死の罪に問われ、1審でいずれも執行猶予のついた有罪判決を言い渡され、控訴しています。
-- NHK NEWS WEB