成人の日を前に突然、営業を取りやめた横浜市の「はれのひ」は26日、破産手続きの開始が決定されました。篠崎洋一郎社長は会見で、去年の春には取引先への支払いが滞るようになり、経営の先行きに強い危機感を持っていたことを明らかにしました。
晴れ着の販売などを行っていた横浜市の「はれのひ」は、ことしの成人の日を前に突然、営業を取りやめ、成人式に振り袖などが届かず、晴れ着を着られない新成人が相次ぎました。
この問題で、横浜地方裁判所は26日、「はれのひ」の破産手続きの開始を決定しました。会社側の弁護士などによりますと負債額はおよそ6億3500万円で、振り袖などの契約をしたおよそ1300人への債務を含めると、最終的な負債額は10億円を超える可能性があると見られています。
篠崎洋一郎社長は26日、記者会見し、「急激な出店でコストが拡大して赤字になり、去年4月に仕入れ先への支払いが通常どおりいかなくなった」と述べ、去年春の大型連休前には、経営の先行きに強い危機感を持っていたことを明らかにしました。さらに去年10月中旬に金融機関から融資を断られるようになり、12月には、成人式の着付け会場やヘアメーク業者への支払いが難しくなったということです。
篠崎社長は「もっと早くお客様に伝えていればよかった。私が経営判断を誤ったために最悪の事態になった。すべて私の責任です」と陳謝しました。
「はれのひ」の資産は今後、破産管財人の弁護士が管理し、契約を結んだ顧客や取引先などと交渉が進められますが、債権者集会では、篠崎社長の責任を追及する声が高まると見られます。
-- NHK NEWS WEB