IT大手の楽天は、証券大手、野村ホールディングス傘下の損害保険会社 朝日火災海上保険の買収に向け、最終調整を進めていることがわかりました。
関係者によりますと、楽天は証券大手の野村ホールディングス傘下の朝日火災海上保険の買収に向けてTOB=株式の公開買い付けを行う方向で最終調整を進めていて、29日朝、「買収を検討していることは事実」と発表しました。
楽天は、野村系のグループ企業や個人の株主から株式を取得し、ことし夏をめどに完全子会社にすることを目指す方針で、買収額は400億円から500億円規模となる見通しです。
楽天は、平成25年に生命保険事業に本格参入していますが、今回、新たに損害保険事業にも参入することで、金融事業の強化を進める考えです。
買収が実現すれば、楽天は、生命保険事業の販売網を活用したうえで、会員のネット通販の購入履歴などのデータに基づいた保険商品の開発などを進めるとしています。
一方、国内の損害保険市場は3つの大手グループを中心に再編が進んでいて、野村ホールディングスとしては、業界では中堅規模の朝日火災海上を傘下に持ち続けても、ほかの事業との相乗効果が薄いと判断したものと見られます。
-- NHK NEWS WEB