仮想通貨の大手取引所、「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨が流出した問題で金融庁は、ほかのすべての取引所についてもセキュリティー対策の現状などを確認する緊急調査に乗り出しました。
この問題で金融庁は29日、外部からの不正なアクセスで580億円相当のNEMと呼ばれる仮想通貨が流出した大手取引所「コインチェック」に対し、原因の究明や顧客への返金、再発防止策の徹底などを求める業務改善命令を出しました。
今回の処分は流出が発覚してからわずか3日後と異例の早さで出され、金融庁は「仮想通貨は昼夜を問わず取り引きされており、被害の拡大を防ぐため、迅速な対応を取った」としています。
そして金融庁は、今回の問題を受けてほかのすべての取引所に対してもセキュリティー対策の現状などを確認する緊急調査に乗り出しました。
具体的には、顧客から預かった資産をどのように保管しているかや、不正なアクセスを感知するシステムが機能しているかなどを調べ、必要があれば今後立ち入り検査も行うとしています。
仮想通貨の取り引きが広がる中、日本は利用者の保護を図ろうと去年10月、世界に先駆けて仮想通貨の取引所に「登録制」を導入しました。
「コインチェック」は登録の審査中で、金融庁は「みなし事業者」として取引所の業務を認めていましたが、今回この業界で初めての業務改善命令を出す事態となり、仮想通貨という新しい分野の規制や監督の難しさも浮き彫りになっています。
-- NHK NEWS WEB