政府は、働き方改革実現会議で、同一労働同一賃金の実現に向けたガイドラインの案を示し、正社員と非正規の労働者の基本給について不合理な差を認めないとするとともに、非正規労働者にも昇給や賞与の支払いを原則行うことを明記しました。
政府は総理大臣官邸で開かれた働き方改革実現会議で、同一労働同一賃金の実現に向けて、非正規の労働者の処遇改善を図るためのガイドラインの案を示し、安倍総理大臣は「正規労働者と非正規労働者の間の不合理な待遇差を認めない、わが国の労働慣行には十分に留意したものとなった」と述べ、意義を強調しました。
それによりますと、同じ企業や団体で働く正社員と派遣労働者を除く非正規労働者の基本給について、職業経験や能力、業績や成果、勤続年数によって金額が変わることを容認しながらも、不合理な差を認めないとしています。
また、非正規労働者にも昇給や賞与の支払いを原則行うことを前提として、昇給額のうち職業能力の向上に基づいて支払われる部分や、賞与のうち会社の業績などによって支払われる部分については、不合理な差を認めないと明記しています。
一方、時間外や深夜・休日手当、通勤手当や出張旅費、単身赴任手当、慶弔休暇、病気休職などについては、正社員と非正規の間で差を設けることを原則として認めないと打ち出しています。
また、派遣労働者については、派遣元と派遣先双方との関係をそれぞれ考慮する必要があることから、有期雇用やパートの非正規労働者とは区別されていて、派遣先の労働者と職務内容などが同じであれば、派遣元の事業者は基本給や賞与などの賃金、それに福利厚生、教育訓練などの待遇を同じにする必要があるとしています。
政府は、示したガイドラインの案が実際に運用されるよう、今後、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の改正案の取りまとめ作業を進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB