宅配最大手の「ヤマトホールディングス」は、ネット通販大手の「アマゾン」が宅配便の値上げ要請を受け入れ今月から運賃を引き上げたことを明らかにしました。ほかの大口顧客も含めて値上げができたためことし3月期のグループ全体の利益の見通しも上方修正しました。
「ヤマトホールディングス」は、ネット通販の拡大による宅配便の急増と、深刻な人手不足が重なって会社の経営方針の見直しを迫られ、去年、27年ぶりに個人向けの料金を平均で15%値上げしたうえで、アマゾンなど大口顧客1100社と値上げの交渉を進めていました。
その結果、交渉で最大の課題になっていた「アマゾン」が値上げの要請を受け入れ、今月から運賃を引き上げたということです。また、ほかの大口の顧客との値上げ交渉もほぼ終わり、アマゾンも含めて全体で15%を超える運賃の値上げを実現できたということです。
これによって、ヤマトはことし3月期のグループ全体の最終的な利益の見通しを25億円上積みし、145億円に上方修正しました。
ただ、値上げの交渉を進める中で1100社のうちおよそ4割の大口顧客が荷物の配達を他社に移し、取り引きを失ったということです。
会見した芝崎健一専務は「値上げ交渉でもう少し他社に流出することも覚悟していたが、多くの顧客から理解を得られた。特に大口の顧客が値上げを受けいれたことが、業績にプラスに影響していると考えている」と述べました。
-- NHK NEWS WEB