ピョンチャンオリンピックの開幕を10日後に控えた韓国では、伸び悩む観戦チケットの販売に新たな対策を打ち出したほか、厳しい寒さが予想される屋外での夜の開会式について、ぎりぎりまで対応に追われています。
ピョンチャンオリンピックの組織委員会によりますと、開幕まで1か月を切った今月19日の時点で、オリンピックの観戦チケットの売れ行きは69%にとどまっていて、開催都市周辺の宿泊費用が高騰していることが、伸び悩んでいる理由の1つだとしていて、高いところでは5倍以上になっています。
このため組織委員会は、チケット販売を伸ばそうと、ソウル市内のバス会社と連携して、ソウルとピョンチャンなどを結ぶ直行便のバス料金を、観戦チケットを持っている人は無料にする対策を開会式の翌日の来月10日から始めることにしました。
組織委員会は、車でおよそ3時間かかるソウルとピョンチャンの交通費を無料にすることで、人口の多いソウル市からの日帰りの観戦客を増やし、チケット販売を伸ばしたい考えです。
バス会社では30日、取り組みをPRするイベントを開き、運転手30人らを前に会社の社長が「取り組みを成功させるため頑張ろう」と意気込みを示していました。
直行バスは午前から深夜まで最大で1日30台で運行する予定で、スノーボードを日帰りで観戦に訪れる予定のソウル市の26歳の会社員の女性は「無料なのでお金の節約になり助かります。これならばチケットを2回、3回と買って観戦に行きたい」と話していました。
バス会社のハン・サンウ社長は「直行バスを利用して多くの人にオリンピックを見てもらいたいし、大会の成功に役立ちたい」と話していました。
また、ピョンチャンでは、開会式が行われる夜の時間帯の気温が氷点下15度になることもあり、去年11月には、大会の関連イベントの最中に参加者6人が低体温症で手当を受けるなど、厳しい寒さへの対策が課題となっています。
組織委員会では「寒さを過剰に心配する必要はない」としていますが、3万5000人を収容できる開会式の会場ではニットの帽子や毛布、それにカイロなどを無料で配るほか、救急医療を担当するスタッフを当初の3倍に増やすなど、開幕ぎりぎりまで対応に追われています。
-- NHK NEWS WEB