中国が台湾海峡の上空を通る航路の運用を事前の協議なしに始めたことに台湾が強く反発する中、中国の航空会社2社は、来月の旧正月の春節に合わせて申請していた台湾への増便の計画を取り消すと発表しました。
台湾当局は、中国の民用航空局が空の混雑を解消するためだとして、今月4日、事前の協議なしに台湾海峡の上空を通る民間航空機の航路の運用を始めたことに強く反発していて、中国の航空会社2社が来月の春節に合わせて申請した増便の計画への判断を保留していました。
これについて中国東方航空など2社は30日、申請を取り消すと発表しました。
2社は、合わせて176便の増便を計画していたということですが、台湾当局の対応によって、申請の取り消しを余儀なくされたと強い不満を表明し非難しました。
中国と台湾の間では例年、春節の期間中に大勢の人の往来があり、2社は今回の取り消しでおよそ5万人に影響が出るとしています。
この問題をめぐっては、台湾側が中国側に協議を求めていますが、おととし、独立志向が強いとされる民進党による政権が台湾で誕生して以降、中台間の公式な対話は途絶えたままです。
-- NHK NEWS WEB