大手電機メーカーの富士通は、業績の低迷が続いている携帯電話事業を今のまま続けるのは難しくなったとして、携帯電話の子会社の株式の70%を投資ファンドに売却すると発表しました。売却後も兵庫県にある工場は維持するとしています。
発表によりますと、富士通は「アローズ」などのブランドで展開している携帯電話事業の子会社について、株式の70%を東京に本社を置く投資ファンド「ポラリス・キャピタル・グループ」に売却します。
売却額はおよそ500億円となる見通しです。
富士通は残り30%の株式を引き続き保有して「アローズ」などのブランドで事業を続ける方針で、兵庫県加東市にある工場も維持するとしています。
富士通の携帯電話事業はアップルのiPhoneなど海外勢に押され、出荷台数はピークだった2011年度の800万台から昨年度320万台にまで減っています。
このため今のまま単独で事業を続けるのは難しくなったと判断し、株式の売却先などを模索していました。
富士通は去年11月にパソコン事業も中国の「レノボ・グループ」に売却し、成長が期待できるITサービスやAIなどの事業に集中する戦略を進めています。
記者会見で塚野英博副社長は「ブランドの維持は重要だと思っている。保有する工場については独立性を強めて生産はむしろ拡大したい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB