厚生年金の保険料を32年間にわたり滞納した大阪・泉佐野市にあったタクシー会社について、厚生労働省の委任を受けた大阪国税局が、財産を差し押さえるなどの強制徴収を行って、およそ1億円を回収していたことが関係者への取材でわかりました。
関係者によりますと、大阪・泉佐野市にあった泉陽タクシーは、昭和59年から32年間にわたって、厚生年金保険料合わせておよそ2億円を滞納しました。
再三の督促に対し、経営状況を理由に応じないなど悪質だとして、厚生労働省が、おととし2月、滞納している保険料を徴収する権限を大阪国税局に委任しました。
これを受けて国税局は、会社の不動産やタクシーなどを差し押さえて、不動産を売却するなどしおよそ1億円を回収したということです。その後会社は、事業の継続が困難になり、別の会社に譲渡されました。
国民年金や厚生年金の保険料を強制徴収する権限は、日本年金機構にもありますが、財産を隠している可能性があるなどの悪質な滞納者に対しては、強制的に徴収するノウハウがある国税局に委任する制度が8年前から導入されています。
-- NHK NEWS WEB