小さくカットされた象牙600本余りを、違法に国外に持ち出されると知りながら中国人の男に販売したとして、象牙の加工などを行っている東京都内の会社の役員が、関税法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。役員は容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、国に届け出をして象牙の加工や販売を行っている東京・台東区の「全日本象牙卸売センター」の役員、土屋雅右容疑者(47)です。
警視庁によりますと、土屋容疑者は、印鑑用の材料として小さくカットされた象牙600本余りを、違法に国外に持ち出されることを知りながら、すでに起訴されている中国人の男に販売したとして、関税法違反の疑いが持たれています。
去年11月、東京港で中国人の男がコンテナ船で象牙を持ち出そうとしているのを税関の職員が見つけ、警視庁が逮捕して捜査していましたが、土屋容疑者の会社が販売していたことがわかったということです。
象牙はワシントン条約で取り引きが厳しく制限されていて、日本以外の多くの国では象牙製品の販売そのものができなくなっていますが、中国の富裕層の間で依然として人気があるということです。
警視庁は、中国人の男と共謀して象牙を日本から持ち出し、高く売る目的だったと見て詳しいいきさつを調べています。
警視庁によりますと、調べに対して「身に覚えがない」などと供述し、容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB