実際の労働時間ではなく労使で定めた一定の時間働いたとして賃金を支払う裁量労働制について、厚生労働省は、適正に運用されているか調べるため、全国のおよそ1万3000の事業所を対象に、自主点検を求めることになりました。
裁量労働制は、証券会社のアナリストや公認会計士など国が定めた業務に限る「専門業務型」と、企業の中枢部門で経営に関わる企画や調査などを行う人を対象にした「企画業務型」の2つがありますが、厚生労働省によりますと、一部の企業でこうした業務に携わっていないほかの社員に対しても導入していたケースが見られるということです。
このため厚生労働省は、裁量労働制が適正に運用されているか調べるため、全国のおよそ1万3000の事業所を対象に自主点検を求める通知書を出しました。
具体的には、「専門業務型」を導入している1万事業所と「企画業務型」を導入している3000事業所について、業務内容が適切かどうかや健康確保の措置を講じているかなどについて点検を求めています。
厚生労働省は、今月中に報告書を提出するよう求めていて、「制度の趣旨を正しく理解してもらい適正に運用するよう要請していきたい」としています。
-- NHK NEWS WEB