ロシア側がこれまで独自に進めてきた北方領土を経済特区に指定する計画について、ロシア極東の大統領全権代表を務めるトルトネフ副首相は、先週の日ロ首脳会談で開始することで合意した共同経済活動をめぐる交渉の妨げになるとして当面先送りする考えを示しました。
ロシア政府はこれまで、北方領土を含む島々を年内にも経済特区に指定し、進出する企業に対して税制上の優遇措置などを与え投資を呼び込む計画を、独自に進めてきました。
この計画について、ロシア極東の大統領全権代表を務めるトルトネフ副首相は20日、地元メディアに対し「ブレーキをかける」と述べ、当面先送りする考えを示しました。
その理由についてトルトネフ副首相は、「日本とロシアの首脳間の対話に介入するのは間違いだ」と述べ、先週行われた日ロ首脳会談で開始することで合意した北方領土での共同経済活動をめぐる交渉の妨げになるためだと、説明しています。
北方領土での共同経済活動について、日ロ両政府は「平和条約問題に関する日本とロシアの立場を害さない」という点で一致したものの、主権をめぐっては固有の領土だと主張する日本と第2次世界大戦の結果ロシア領になったとするロシア側の立場が隔たったままで、交渉は難航することも予想されています。
-- NHK NEWS WEB