世界各地でセクハラの告発が相次ぐなど性差別への関心が高まる中、自動車レースの最高峰F1の運営会社はレース開催のときに女性モデルなどがプラカードなどを掲げる「グリッドガール」を、今シーズンから廃止すると発表しました。
「グリッドガール」は、F1のレースでスタート前に車の停止位置を示す「グリッド」の前に立って、プラカード掲げる役割の女性で、華やかな衣装や肌の露出が多い衣装に身を包んでレースを盛り上げる役割を果たしてきました。
F1の運営会社は31日、声明を出し、来月下旬に開幕する今シーズンのF1グランプリからグリッドガールを廃止すると発表しました。
運営会社の責任者は廃止の理由について「グリッドガールは長年F1の大事な部分を担ってきたが、この習慣はF1のブランド価値に共鳴せず、今日の社会規範にもそぐわない」として、性差別への関心が急速に高まっている現在の世界的な社会情勢が影響していることを示唆しました。
グリッドガールについては近年モータースポーツ界で議論が続いて、2015年には世界3大レースの一つとされるフランスの「ル・マン24時間耐久レース」でも廃止され、今回のF1の対応を肯定的に見る意見もあります。
一方で現役のグリッドガールを中心に仕事が奪われるなどと反対の意見も出ていて、波紋が広がっています。
-- NHK NEWS WEB