大手取引所の「コインチェック」が不正なアクセスを受けて「NEM」と呼ばれる仮想通貨が大量に流出した問題をきっかけに、このところ多くの仮想通貨が値下がりしていて、全体の時価総額は、この1週間で24%減少しています。
NEMを扱っている仮想通貨の取引所「Zaif」によりますと、NEMの1単位当たりの価格は2日の午前中に一時、55円を割り込みました。
コインチェックからの流出が起きる前は100円前後で取り引きされていて、NEMはこの1週間で半分近くに値下がりした形です。
このほか、仮想通貨の代表格とされるビットコインも、国内の大手取引所での価格が午前中に一時、1ビットコイン当たり90万円を下回り、この1週間で30%程度下落するなど、流出問題をきっかけに多くの仮想通貨が値下がりしています。
この結果、仮想通貨の情報サイト「コインマーケットキャップ」によりますと、仮想通貨全体の時価総額は、2日の正午時点で46兆円余りと、この1週間でおよそ15兆円、率にして24%減少し、過去最大だった先月上旬のおよそ92兆円から半分になっています。
専門家は「去年は多くの仮想通貨が投機的に値上がりした。しかしこのところは各国で規制が強化されることへの懸念が出ている上、今回の流出問題で取引所のセキュリティーの課題も浮かび上がり、大幅な値下がりを招いている」としています。
-- NHK NEWS WEB