アメリカのトランプ大統領は、いわゆる「ロシア疑惑」をめぐる捜査が大詰めを迎えているとされる中、FBI=連邦捜査局の捜査に偏りがあると指摘した与党・共和党が作成した文書の公開に踏み切り、捜査の信ぴょう性に疑問を投げかけました。
トランプ大統領は2日、ツイッターで「FBIや司法省は神聖な捜査の過程を政治化している」などと批判するとともに、記者団に「私たちの国で起きていることは不名誉なことだ」と述べ、ロシア疑惑をめぐる捜査に偏りがあると指摘した議会下院の情報委員会の文書の公開を認めました。
これを受けて公開された4ページの文書は、共和党が作成したもので、FBIなどがおととしの大統領選挙でトランプ陣営の幹部の通信を傍受するにあたって、民主党とつながりがある調査会社がもたらした情報に基づいて裁判所の許可を取ったなどと指摘し、捜査の信ぴょう性に疑問を投げかけています。
ロシア疑惑をめぐる捜査では、モラー特別検察官が、トランプ大統領本人の事情聴取を近く行うと報じられていて、トランプ大統領としては、捜査をけん制するとともに、国民からの批判をかわす狙いもあると見られています。一方、FBIは、文書は正確さを欠くとの立場で、捜査が大詰めを迎えているとされる中、双方の攻防が激しくなっています。
-- NHK NEWS WEB