小型の電卓の生みの親で、シャープの液晶技術の基礎を築いた世界的な技術者として知られる佐々木正氏が先月31日に亡くなりました。102歳でした。
佐々木正氏は島根県出身で、昭和13年に当時の京都帝国大学を卒業後、他のメーカーを経て昭和39年に早川電機工業・今のシャープに入社し、昭和58年から昭和61年まで副社長を務めました。
小型の電卓の生みの親として、シャープの液晶技術の基礎を築き、平成15年には電子技術などに関する国際的な学会でアメリカに本部がある「IEEE」から名誉会員の資格を授与されました。
アイデアを生み出すスピードの速さから、アメリカの技術者の間で「ロケット・ササキ」の異名で呼ばれ、アメリカのアップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏にも影響を与えた技術者としても知られています。
また、ソフトバンクグループの孫正義社長が若い頃、資金調達の支援などを行い、一時、ソフトバンクの相談役も務めていました。
孫社長は3日未明、「私と弊社だけの恩人ではなく、日本の先端電子技術の礎を築かれた偉大な方であり、日本にとっての大恩人です」とコメントしました。佐々木氏は先月31日未明、肺炎のため亡くなりました。102歳でした。
-- NHK NEWS WEB