将来、世界的に需要が増すと予想されている超小型衛星を低コストで打ち上げようと、JAXA=宇宙航空研究開発機構が実験用に開発した世界最小クラスのミニロケットが、3日午後2時3分鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。ミニロケットは搭載した超小型衛星を予定の軌道に投入し、打ち上げ実験は成功しました。
JAXAが新たに開発した全長およそ10メートルの世界最小クラスのミニロケットは東京大学が開発した超小型衛星を載せて、3日午後2時3分に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。
ミニロケットは衛星を覆っている先端のカバーや1段目のエンジンを切り離しながら上昇を続け、超小型衛星を予定の軌道に投入し打ち上げ実験は成功しました。
このミニロケットは去年1月に最初の打ち上げが行われましたが、飛行中に機体の状態を示すデータが途絶えたことから飛行が中断されていて、2度目の挑戦での成功となりました。
超小型衛星は上空から地上を観測することによって、自然災害の発生や農作物の生育状況の確認など宇宙ビジネスの分野でさまざまな活用ができることから世界的な需要の増加が予想されていて、合わせて、打ち上げコストを下げるための専用のミニロケットの開発も盛んになっています。
今回、打ち上げられたミニロケットや衛星には、コスト削減のため家電製品などに使われる民生用の部品が実験的に使われていて、JAXAなどでは今回の打ち上げで得られるデータを民間企業にも積極的に活用してもらい、日本の宇宙ビジネスのすそ野を広げたいとしています。
-- NHK NEWS WEB