アメリカのトランプ大統領は、FBI=連邦捜査局の捜査に偏りがあると指摘した文書が公開されたことで、自身の潔白が証明されたと主張し、ロシア疑惑をめぐってトランプ大統領の事情聴取が検討されていると伝えられる中、捜査当局をけん制する狙いがあると見られます。
2日に公開された与党・共和党が作成した文書では、おととしの大統領選挙で、トランプ陣営の幹部の通信をFBIなどが傍受するにあたり、野党・民主党とつながりがある調査会社がもたらした情報を基に裁判所の許可を取ったなどとして、ロシア疑惑をめぐる捜査に偏りがあると指摘されています。
これについてトランプ大統領は3日、ツイッターに「この文書はトランプの潔白を完全に証明した」などと書き込んだうえで、「ロシアとの共謀や捜査妨害はなかった」と改めて主張しました。
さらに「この文書は大統領選挙やその後に影響を与えるために、いかにFBIなどが利用されてきたかもしれないことについて不穏な事実を指摘している」として、捜査が政治的に利用されていると批判しました。
ロシア疑惑をめぐっては、モラー特別検察官がトランプ大統領本人の事情聴取を検討していると報じられていて、一連の捜査が大詰めを迎えているという見方も出ています。
こうした中、トランプ大統領としては文書の公開をきっかけに、捜査当局をけん制する狙いがあると見られます。
-- NHK NEWS WEB