紙を使わないペーパーレス化などを背景に、ことしの国内の紙の需要は過去最低を更新する見通しとなり、大手の製紙会社は、工場の生産能力の削減など抜本的な事業の見直しを迫られています。
日本製紙連合会によりますと、ことしの紙の需要は1438万トン余りと、去年と比べて2%減少し、過去最低を更新する見通しです。
これは、企業の間でなるべく紙を使わないペーパーレス化が広がっていることや、新聞や雑誌をスマートフォンで読む人が増えていることなどによるものです。
紙の需要が減るのは12年連続で、ピーク時の平成18年と比べると26%の落ち込みになるということです。
このため、大手製紙会社の日本製紙は、ことし5月末に秋田市と宮城県石巻市にある2つの工場でそれぞれ生産設備を1機停止させるほか、ことし7月末には岩手県一関市にある新聞紙を生産する子会社の工場を閉鎖することにしています。
また、中越パルプ工業も、来月末に富山県高岡市にある工場で生産設備を1機停止させる計画です。
各社は、紙の生産を縮小する一方、新たな収益の柱となる事業の開拓を急ぐなど、抜本的な事業の見直しを迫られています。
-- NHK NEWS WEB