世の中に出回っているお札の総額が、初めて100兆円を超えたことがわかり、日銀の大規模な金融緩和の影響で金融機関にお金を預けても利子がほとんど付かない状況のなか、個人や企業が手元に現金を保管する動きが広がっていることが背景にあると見られます。
日銀のまとめによりますと、個人の財布や企業の金庫などに保管されているお札の発行残高は20日の時点で100兆4661億円となり、初めて100兆円を超えました。1年前の去年の12月20日と比べますと、4兆4800億円余り、率にしておよそ4%増えています。
お札の発行残高が増えている背景には、日銀のマイナス金利政策を含む大規模な金融緩和策の影響で金利全般が低下するなか、金融機関にお金を預けずに個人が自宅に保管するいわゆる「タンス預金」や、企業が金庫に資金を保管する動きが広がっていることが背景にあるものと見られます。
日銀は市場に大量の資金を供給して消費や投資を活発にすることを目指していますが、個人や企業が現金を手元に置く傾向を強めるなか、こうしたお金が経済活動につながっていくかが注目されます。
-- NHK NEWS WEB