東京株式市場やニューヨーク市場など世界同時で株価が急落していることについて、大和証券の石黒英之シニアストラテジストは、アメリカで長期金利がやや急に上昇したのをきっかけに景気が過熱しすぎずにゆるやかに拡大する、いわゆる「適温経済」が転換する兆しも見えると指摘しています。
石黒氏は「アメリカの金利上昇に対する漠然とした懸念がマーケットの不安心理を高めていた。金利上昇によって株価が下落するという警戒感が売りを加速させている。景気がよく低金利も続くという前提条件が揺らぎつつあるのは確かだ」と話しています。
そのうえで日本の株式市場について、「日経平均株価が1000円以上の下落となると、いちばん大きな影響を与えるのは投資家心理だ。市場心理が若干冷え込んだことは事実だと思うので、直近の高値を抜くにはしばらく時間が必要だと思う」と話しています。
その一方、先行きについては「世界経済の回復は力強さを増し、貿易量は増え、景気の好調さは何も崩れていない。冷静に考えれば波乱相場が長引く可能性は低いのではないか」と指摘しました。
-- NHK NEWS WEB