6年後の2024年に火星に有人宇宙船を送る計画を明らかにしている、アメリカのベンチャー企業「スペースX」が、7日に現役のロケットの中では世界最大の打ち上げ能力を持つ新型ロケットを火星に向けて試験的に打ち上げます。専門家は「成功すれば、火星に物資を運ぶことが可能になり、人類が火星に近づく大きな一歩となる」と話しています。
現役のロケットの中で世界最大の打ち上げ能力を持つ新型ロケットの打ち上げ試験を行うのは、アメリカのベンチャー企業「スペースX」です。
ロケットは、全長70メートル、幅12メートルの「ファルコン・ヘビー」と呼ばれるタイプで、横に3本のロケットをつなぎ合わせ、火星の軌道におよそ17トンの物資を運ぶ能力があります。
打ち上げ能力を実証するために、先端部分にはスペースXのイーロン・マスクCEOが所有する赤い電気自動車などが載せられていて、今回の軌道では数か月ほどで火星の近くに到達するということです。
また打ち上げの際には、「ファルコン・ヘビー」の1段目の部分など3本のロケットエンジンが逆噴射して地球に舞い戻り、2本は地上に、1本は海上の船の上に着陸する予定だということです。
これによってロケットの再使用が可能になり、打ち上げコストの大幅な削減が可能になるとしています。
スペースXは今回の試験の成果も踏まえて、今後、超大型ロケットを開発するということで、2024年には火星に有人宇宙船を送る計画を明らかにしているほか、将来は火星への移住を実現したいとしています。
打ち上げは、日本時間の7日午前3時半から午前6時の間の予定です。
宇宙開発に詳しい八坂哲雄九州大学名誉教授は「火星移住を目指すのであれば大量の物資を運ぶ必要がある。今回の打ち上げが成功すれば、火星移住に向けた動きが活発になる可能性があり、人類が火星に近付く大きな一歩となる」と話しています。
-- NHK NEWS WEB