北海道稚内市の海岸に、例年、この時期にはいないマイワシが大量に打ち上げられているのが見つかりました。地元の水産試験場は、周辺にとどまったマイワシが急激な海水温の低下で大量に死んだ可能性が考えられると指摘しています。
マイワシが打ち上げられていたのは、宗谷海峡に面した北海道稚内市のノシャップ岬の海岸です。5日、砂浜のおよそ100メートルの範囲に散乱しているのを地元の漁業者が見つけました。
7日は稚内市から委託を受けた会社の作業員などが手作業で回収していました。
地元の70代の男性は、「このようなことは初めてで驚きました」と話していました。
北海道立総合研究機構稚内水産試験場によりますと、マイワシは、例年、海水温が下がる秋に北海道沖から本州方面に南下するため、この時期、稚内周辺にはいないということです。
そのうえで、「海水温の上昇などで群れの一部が秋以降もこの海域にとどまり、冬に入ってからの急激な海水温の低下で大量に死んだ可能性が考えられる」と指摘しています。イワシが海岸に打ち上げられる現象は、先週、青森県の陸奥湾に面した海岸の広い範囲でも確認されています。
-- NHK NEWS WEB