大手電機メーカーのNECは、植物を原料にした「バイオプラスチック」を使って、伝統工芸のまき絵を施した漆器に近づけたという試作品を発表し、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年をめどに実用化を目指すとしています。
NECが6日発表した試作品は、「バイオプラスチック」を使い、印刷の技術も活用して表面を伝統工芸のまき絵を施した質感などに近づけたとしています。
また、特殊な材料を配合して傷つきにくくしたほか、通常のプラスチック製品のように大量生産ができるということです。
バイオプラスチックは、原料に主にデンプンなどが使われてきましたが、試作品には「わら」などを使うことで、世界的な環境問題などにも配慮したとしています。
開発に協力した京都産業大学の教授で漆芸家の下出祐太郎さんは会見で、「再現性は85点です。伝統産業を知ってもらう機会にもなります」と述べました。
会社では、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年をめどに実用化を目指すとしていて、NECのIoTデバイス研究所の辻正芳研究部長は「日本工芸の美しさや環境問題はヨーロッパで関心が高く、世界に幅広く技術を広げたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB