鹿児島県の広い範囲の離島に、東シナ海で沈没したタンカーから流出した可能性のある黒い油のようなものが漂着している問題を受けて、8日、奄美大島の海岸で本格的な回収作業が始まりました。
先月6日に中国・上海の沖合の東シナ海で起きた中国の貨物船とイランの海運会社のタンカーの衝突事故では、タンカーが炎上して漂流し、その後、奄美大島の西およそ315キロ付近で沈没し、タンカーの積み荷の原油や燃料の重油が流れ出ています。
奄美大島をはじめ、鹿児島県内の広い範囲の離島には、このタンカーから流出した可能性のある黒い油のようなものが相次いで漂着しているのが見つかり、鹿児島県や環境省などが対策を検討していました。
8日から本格的な回収作業が始まり、奄美市の朝仁海岸では、長靴をはいてゴム手袋をした県の職員らが、黒く固まった油のようなものをバケツや袋に入れたあとドラム缶に集めていました。
鹿児島県によりますと、油のようなものが漂着した離島は、8日午後5時現在、奄美大島、徳之島、沖永良部島、屋久島、喜界島、与論島、加計呂麻島、請島、宝島、与路島となっています。
県と国は9日以降も自治体と連携しながら回収作業を進める方針です。鹿児島県大島支庁の島田公史建設課長は「砂をかぶっているものが多く、回収は基本的には手作業になるが、作業する人の安全管理を徹底して、確実に作業を進めていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB