韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告らが起訴された一連の事件で、政府から独立した立場で捜査を行う特別検察官は、21日から本格的な捜査を開始し、パク大統領がチェ被告への不正な利益提供を企業に求めた疑いがあると見て調べを進めています。
韓国のパク・クネ大統領の長年の知人、チェ・スンシル被告や大統領の側近らが起訴された一連の事件では、政府から独立した立場で捜査を行う特別検察官が任命され、検察から引き継ぎを受けて捜査の準備を進めてきました。
21日は、パク・ヨンス特別検察官がソウルの事務所を公開したうえで、本格的な捜査を開始すると宣言しました。捜査チームは、最長で来年3月下旬まで捜査を行うことができ、21日午前は、政府傘下の「国民年金公団」などの捜索を行いました。国民年金公団は、財閥最大手サムスングループの系列会社の大株主で、去年、別の系列会社との合併をめぐる株主総会で賛成して合併が成立しました。捜査チームでは、合併が成立するようサムスン側が大統領府に協力を求め、その見返りに、サムスン側が巨額の資金をチェ被告が関わる財団に拠出したと見ており、パク大統領を、自分自身ではなくチェ被告らへの不正な利益提供を企業に求めた、「第三者供賄罪」に問うことも視野に入れて調べを進めています。
また捜査チームは、チェ被告の娘が大学入学などで不正を行い大学の業務を妨害した業務妨害などの疑いがあるとして裁判所から拘束令状をとったことを明らかにし、今後、滞在先と見られるドイツの司法当局に協力を求める方針です。
-- NHK NEWS WEB