成田空港の拡大案をめぐって千葉県は、周辺自治体から求められている地域振興策の具体案として国の特区制度を活用して企業誘致に向けた用地を確保することなどを盛り込むことで最終調整していることがわかりました。
成田空港の拡大案は、3本目の滑走路を建設し運用時間も深夜と早朝に延長することが柱ですが、実現に向けては騒音対策に加えて地域振興策を示し、空港周辺の自治体の理解が得られるかどうかが焦点となります。
このうち、千葉県が最終調整している地域振興策の具体案が明らかになったもので、それによりますと、「空港の波及効果を周辺の9つの自治体全域に波及させる」として、騒音拡大への懸念が強い空港の東部や南部の地域で企業誘致やインフラ整備に力をいれていくことを強調しています。
具体的には、国の特区制度を活用して企業誘致に向けた用地を確保することや、具体的な路線名を示して道路計画の検討を行うことなどを盛り込んでいます。
この具体案は、深夜・早朝の滑走路の使用の制限をより厳しくするという内容の国や空港会社が最終調整を進めている新たな騒音軽減策と合わせて、月内に開かれる予定の関係自治体の協議会で正式に示される見通しで、各自治体の対応が注目されます。
-- NHK NEWS WEB