韓国のパク・クネ(朴槿恵)前大統領をめぐる一連の事件で、ソウルの裁判所は、収賄などの罪に問われているパク前大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告に対して懲役20年、贈賄の罪に問われている韓国ロッテグループの会長、重光昭夫被告に対し、懲役2年6か月の実刑判決をそれぞれ言い渡しました。裁判所は、パク前大統領とチェ被告が共謀関係にあったとも認め、今後、前大統領も有罪となるのは確実だという見方が広がっています。
韓国のパク・クネ前大統領をめぐる一連の事件で、前大統領の長年の知人、チェ・スンシル被告は、サムスングループやロッテグループなどの大手財閥から、みずからが運営に深く関わる財団への資金拠出などの手法で多額の賄賂を受け取ったり資金を要求したりしたとして、収賄や職権乱用、強要などの罪に問われています。
ソウル中央地方裁判所は、13日、チェ被告に対し、19の起訴内容のうち、17について有罪あるいは一部有罪という判断を示しました。そして、「大統領の罷免にまでいたった政治の大きな混乱を招いた責任は非常に重い」として、チェ被告に懲役20年の実刑判決と、罰金180億ウォン、日本円にしておよそ18億円の支払いを命じました。
判決の中で、裁判所は、パク前大統領とチェ被告が共謀関係にあったとも認め、今後、前大統領も有罪となるのは確実だという見方が広がっています。
一方、贈賄の罪に問われている韓国ロッテグループの会長の重光昭夫被告に対して、裁判所は懲役2年6か月の実刑判決を言い渡しました。
裁判所は、ロッテグループがチェ被告が関わる財団に日本円でおよそ7億円を拠出したことが、免税店の営業許可で有利な取り計らいを得ようとしたものだという検察の主張を認めました。
重光会長に実刑判決が言い渡されたことで、ロッテグループの経営に空白が生じる事態となりました。
-- NHK NEWS WEB