芸能人や個人で仕事を請け負う「フリーランス」で働く人などの6割以上が、発注した企業から事前に報酬額が示されなかったり支払いが大幅に遅れたりするなど不当な扱いを受けた経験があることが公正取引委員会の調査でわかりました。公正取引委員会は独占禁止法上、問題がある可能性が高いとして企業側に改善を働きかけていくことにしています。
公正取引委員会は、芸能人やスポーツ選手、それにフリーランスなど個人で働く人たちの契約や働き方の実態を調べるため去年、業界団体を通じてアンケートやヒアリングの調査を行いました。
このうちアンケートでは549人から回答があり、その6割以上が、企業から報酬額などの取り引き条件を事前に示されなかったり、支払いが大幅に遅れたりするといった不当な扱いを受けたことがあると答えました。
また、各業界へのヒアリングでは、芸能関係者から芸能人が所属事務所の移籍を希望しているのに、事務所の判断だけで契約を更新させられたとか、移籍を制限するために報酬の支払いを遅らせたり芸名を使用させなかったりする妨害が行われているという声が複数寄せられました。
さらに、フリーランスで働く人たちからは仕事を請け負ったあと業務が追加されたにもかかわらず報酬が据え置かれたとか、発注した企業からほかの企業からの仕事の依頼を断るよう指示されたといった声が聞かれたということです。
公正取引委員会はこうした実態について有識者会議で検討した結果、企業が優位な立場を利用して自由な働き方を妨げるもので独占禁止法上、問題となる可能性が高いとして、企業側に改善を働きかけていくことにしています。
-- NHK NEWS WEB