横浜市の郵便局の元部長が、ダイレクトメールの発送料金を不正に1億円余り安くした見返りに発送代行会社の元取締役から飲食などの接待を受けたとして、神奈川県警は、郵便局の元部長ら3人を加重収賄や贈賄などの疑いで逮捕しました。
元部長はダイレクトメールの検査を業者任せにしていた疑いがあり、警察は日本郵便の本社などを捜索し、全容の解明を進める方針です。
加重収賄などの疑いで逮捕されたのは、横浜市青葉区の青葉郵便局の元郵便部長、長谷川彰容疑者(52)です。
また、東京・銀座のダイレクトメール発送代行会社「ティーティーオー」の元取締役、山橋政道容疑者(41)が贈賄などの疑いで、元社員の荒井和也容疑者(29)が背任の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、長谷川元部長は、去年1月から8月にかけて「ティーティーオー」から持ち込まれたダイレクトメールの検査をせず、実際より少ない数にして、発送料金を不正に1億円余り安くした見返りに、山橋元取締役からおよそ60万円分の飲食や旅行などの接待を受けた疑いがあるということです。
警察は、東京・霞が関にある日本郵便の本社や、川崎市にある南関東支社、それに東京・江戸川区にある発送代行会社の関係先を捜索しました。
ダイレクトメールを発送する際は本来、郵便局側が3人以上で検査を担当することになっていますが、長谷川元部長は1人で担当し、機械で重さをはかる作業などは荒井元社員らに任せていた疑いがあることが警察への取材でわかりました。
警察は、捜索で押収した資料を分析し、郵便業務をめぐる汚職事件の解明を進める方針です。
3人の認否については捜査に支障があるとして明らかにしていません。
-- NHK NEWS WEB