二次災害のおそれがある復旧現場を、ハイビジョンより鮮やかな4Kのカメラで立体的な映像として撮影し、次世代の通信規格、「5G」で送ることで、鮮明な映像を見ながらショベルカーを遠隔操作する実験が行われました。
この実験は、大手ゼネコンの「大林組」と、通信大手の「KDDI」、電機大手の「NEC」の3社が、埼玉県川越市で行っているもので、15日実験の様子が公開されました。
実験では、ショベルカーに取り付けた4Kのカメラで、復旧現場を撮影します。この映像を、今の携帯電話の10倍の速さでデータをやり取りできる次世代の通信規格「5G」で送信します。
70メートルほど離れた制御室では、現場の奥行きもわかる立体的な映像を見ながらショベルカーを遠隔操作し、コンクリートのブロックを動かす作業などを行いました。
二次災害のおそれのある復旧現場では、すでに、無線通信のWiーFiを使った建機の遠隔操作が行われていますが、映像を伝送するスピードや画質の限界から、作業効率が落ちることが多いということです。このため、「4K」の鮮明な映像を、再来年の実用化が見込まれる高速大容量の通信規格、「5G」で送ることによって、建機の遠隔操作をより円滑にできるようになることが期待されています。
大林組の古屋弘上級主席技師は「将来的には全国の現場に行かなくても1か所から建機を操縦することが可能になる。高齢化や人手不足で、熟練の操縦者が減る中、災害復旧の需要に迅速に対応していきたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB