最高検察庁の西川克行検事総長は、全国の検察庁のトップなどが集まる会議で、ことし6月から日本で初めて導入される「司法取引」について、「有効な捜査手法になり得る一方、うその供述で犯罪に関係の無い人を巻き込むおそれもある」として適切に指導するよう訓示しました。
21日法務省で開かれた会議には、全国の高等検察庁の検事長や地方検察庁の検事正などが出席しました。
この中で最高検察庁の西川克行検事総長は、ことし6月から日本で初めて導入される「司法取引」について、「組織犯罪などに対して有効な捜査手法になり得る一方、うその供述で犯罪に関係の無い人を巻き込むおそれも指摘されている」と述べました。
そのうえで、「運用実績を積み重ねつつ時間をかけて制度を定着させたい」として部下の検察官を適正に指導するよう訓示しました。
「司法取引」は、容疑者などが共犯者や他人の犯罪について捜査に協力する見返りに起訴が見送られたり、求刑を軽くしてもらえたりする制度で、アメリカなどでは、一般的な捜査手法です。
企業犯罪や組織犯罪で上層部の関与の解明が進むことが期待され、今後国内で制度が定着するか注目されます。
-- NHK NEWS WEB