南海トラフで巨大地震が起きる可能性が高まり、気象庁が臨時の情報を発表した場合の、企業の対応について考える検討会が開かれ、国が中部地方で行った聞き取り調査の結果、情報が出た場合も、すべての企業が「独自に操業を停止することは難しい」と回答したことがわかりました。
南海トラフで、ふだんと比べて巨大地震が起きる可能性が高まったと評価された場合、気象庁は、去年11月から「臨時」の情報を発表することになりましたが、この際、住民や自治体、企業などがどのような対応を取ればよいのかまだ明確になっていません。
このため国は、静岡県と高知県、それに中部経済界を「モデル地区」に指定して検討を進めていて、このうち21日は、名古屋市で中部経済界の検討会が開かれました。
会合では、国が行った聞き取り調査の結果が報告され、対象となった24のすべての企業が、「臨時」の情報が出ても、材料や商品が届かないなどの影響がなければ、「独自に操業を停止するのは難しい」と回答したということです。
操業を続ける理由については、情報の確実性が東海地震の予知情報より低いことや、工場の耐震化や避難対策など突発的に地震が発生しても対応できる防災対策を進めていることなどを挙げているということです。
この情報をめぐって国は、来月末までに検討会を新たに立ち上げることにしていて、今回の調査結果なども踏まえながら、本格的な議論を始める方針です。
-- NHK NEWS WEB