運送業界の人手不足が深刻化するなか、宅配最大手の「ヤマト運輸」と岐阜県を走る第三セクターの「長良川鉄道」は、客の乗る車両に宅配便の荷物を載せて運ぶ事業を始めました。
21日は長良川鉄道の関駅で出発式が行われ、前半分がヤマト運輸のトラックと同じデザインの車両に、最初の荷物が積み込まれました。
荷物は、20キロ余り離れた郡上市の美並苅安駅まで、平日に1日片道1便運ばれ、駅で待っているドライバーが受け取って地域に配送されます。
これによってヤマト運輸にとっては、ドライバーの労働時間の削減などにつながる一方で、長良川鉄道は宅配業者から運送代金を得ることになります。
ヤマト運輸の鈴木浩治岐阜主管支店長は「人手不足対策とともにサービス向上にもつなげたい。さらなる利便性向上のほか、ほかの鉄道でもできないかなど模索していきたい」と話していました。
長良川鉄道の坂本桂二専務は「区間の拡大や宅配ボックスの設置なども検討していきたい」と話していました。
人手不足が深刻化するなか、運送業界では「佐川急便」も新潟県の「北越急行」と同じ事業を始めていて、鉄道会社などと協力して配送を行う動きが広がり始めています。
-- NHK NEWS WEB