ピョンチャンオリンピックの閉会式に合わせて、北朝鮮の朝鮮労働党で韓国との関係を統括するキム・ヨンチョル副委員長が韓国を訪問することについて、韓国最大野党で保守系の自由韓国党は、23日、大統領府の前で抗議集会を開きました。
集会では、キム・ソンテ(金聖泰)院内代表が、2010年に相次いで起きた韓国の哨戒艦沈没事件やヨンピョン(延坪)島砲撃について、キム副委員長が主導したものだと強調したうえで、「このような人物を受け入れることなどありえない」と述べ、受け入れを決めた韓国政府の対応を批判しました。
そのうえで、「韓国を訪れたなら、すぐに拘束して軍事法廷に立たせるべきだ」と主張し、ムン・ジェイン(文在寅)政権に対し、キム副委員長の受け入れを撤回するよう求めました。
23日付けの保守系の韓国各紙も、キム副委員長の韓国訪問を批判的に伝えていて、このうち、保守系の大手紙「朝鮮日報」は、1面で「『哨戒艦沈没の主犯』がピョンチャンに来る」という見出しを掲載し、社説で哨戒艦沈没事件の遺族の感情をないがしろにするものだと主張しています。
また、別の保守系の有力紙「東亜日報」は、哨戒艦沈没事件で死亡した兵士の遺族の声を掲載し、「韓国政府は遺族のことなど考えにないのか」として、キム副委員長の韓国訪問に反対する意見を伝えています。
-- NHK NEWS WEB